ドラクエ3勇者一人クリアの記録




〜 第1幕 旅立ち 〜
母さん。
ボクは今、レーベという町にいるんだ。
アリアハンを離れてから心配してるだろうと思って
今日から手紙を書くことに決めたよ。

冒険の旅に出て1週間ほど過ぎたけど、
ボクはあの日の事を昨日の事のように覚えているよ。

ボクの16歳の誕生日。
その日は、初めてお城に行くという大事な日だったのに寝坊しちゃったよね。
前日、王様に謁見するという緊張でなかなか寝付けなかったんだ。
あ、アレだよアレ。遠足の前日みたいな気持ちだったんだ。


お城の大きな門をくぐって、まっすぐ行ったら王様がいたよ。
なんかイスの上に立ってた。

王様から旅立ちのお許しをもらった時は身震いしたよ。
ボクが一人前の男だって認められたんだからね。

王様から餞別を頂いたんだけど、たびびとのふく、こんぼう2つ、
ひのきのぼう と50ゴールドだけだよ。
アリアハンの経済状態は火の車だってことがあの時わかったよ。
これっぽっちのお金で何ができるというんだよ。

そんな新事実に愕然としてたら、
王様がルイーダの酒場に行って仲間を集めよっておっしゃったんだ。
だから仰せの通り、その酒場に行ってみたんだ。
けどね、ホントまいったよ。まいっちゃったよ。


みんな外人なんだよ。

仲間にしようにも、なんて声をかけたらいいか分からなかったんだ。
「ハローって声かけようかな、いやボンジュールかな」って色々考えながら、
酒場の前を行ったり来たりしてたんだ。
でもその時、ある考えがボクの頭に浮かんだんだ。
「王様は酒場で仲間を集めてこいっておっしゃったけど、
 こんな朝っぱらから酒場にいるような奴らと仲間になっていいのかな」ってね。
きっとロクでもない奴らに決まってるんだ。
こんな奴らと冒険を共にするなんて逆に自殺行為だと思ったんだ。
だから、ボクは一人でバラモスを倒すことに決めたんだ。
仲間を見つけるのに見切りを付けた後、身支度を整えようとしたんだ。
財布を開けても、王様からもらった50Gしかなかったんだ。
だから酒場の酔っ払いどもに背後から忍び寄っては、後頭部を一打。
それからこいつらの身ぐるみを剥がして、それを道具屋に売って金にしたんだ。
これはね、何というか、アレだよ、一種のお約束的行事さ。


母さん。
アリアハンから一歩外に出ると魔物がたくさん襲ってくるんだ。


こんなにもたくさんの敵が一斉に襲ってくるもんだから
ボクは危うく死にそうになったよ。
本当は何回も死んでるんだけどね。
こっちは一人だというのに、魔物達も容赦ないんだ。
もうね、ホント袋叩きだよ。
まだ冒険は始まったばかりだというのに、勘弁してよって感じだったよ。
今は多少レベルが上がったからへっちゃらだけどね。
本当はたまに死んでるんだけどね。

明日、アリアハンのすぐ西に見えるナジミの塔に行ってみようと思うんだ。

<< HOMEへ           第2幕へ >>

Copyright (C) 2004-2011 母さんへの手紙 All rights reserved.